自炊と生活|武田俊の読むラジオ
「男の手料理」から離れるために
最近自炊から遠のいてしまっていて、つまりそれは安易な外食ですませちゃってるってことなんだけど、これがぼくにとってはヘルシーではないようです。別に外食が続いても楽しいし、自分でつくるなんてめんどうくさい、っていう友人は身の回りにけっこういて(特に男性に多い)それはそれで幸せなことだ、と思うものの、やっぱりぼくは食事を自分でつくりたいよう。
最近わかってきたのは、その上で、「男の料理」がしたいわけではないということ。ここでいう「男の料理」については、最近では哲学者の千葉雅也さんもnoteに書いていた記憶があります。これは、たとえば、普段生活の中で料理をする習慣がない男性が、ここぞという週末に特別な材料と手間のかかる行程でごちそうを用意する、っていう料理のこと。
「男の料理」は楽しい。
けれど、それはたまのハレの場の料理だからこその楽しみです。
ぼくがしたいのは違うのです。もっとみみっちくて、地味で、そぼくで、コスト感覚も大切で、そういう生活のための料理がしたい。今この瞬間をちょっとだけ言祝ぎ、次を生きるための力になる、そういうお料理。
そういう風に日々料理ができていた時期っていつだっけ、と思ったら、最初に浮かんだのは大学生の頃でした。できるだけお金をかけずに、おいしく、おなかいっぱいになるにはどうしたらいいのか? 答えはかんたん。自分でつくればいいのです。