74|たとえば誰に話したらいいのかわからないようなこと

通し番号のこと忘れていて、ひさびさにつけました
たけだ 2026.07.03
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 これを書いているのは、イオが寝静まったあとの金曜日の22時すぎ。
 先週からあまり体調が芳しくなくて、これはきっと湿度のせい。
 ふだんからゆるゆるとしている自分の輪郭が、湿度によって余計にあいまいになり、なんだか世界の側に流れ出していきそうな感じがする。それであわててエアコンを除湿モードで立ち上げて、でも気温が高いわけでもないのにエアコンをつけるなんて、っていういま考えるとぜんぜん必要のないことを自分を妙に責めてしまう、そういう規範意識をぼくはなぜだか持っている。

 激しく落ち込むほどのうつではない、けれど朝起きて視界がにぶく、どーんと身体が重たい。こういう時の判断ってほんとうに難しい。エイヤ、で起きてみたら案外なんでもできるときもあれば、その反動でちゃんとうつに引っ張られてしまうこともある。さて、今日はどっちだ、と布団の中でもやもやと逡巡していると、結局ぼくは色んなことをさぼりたい怠惰な人間なだけでは、と考えてしまう。いやいや症状だよ、あんた病気なんだからさあ、自分のこともっと大切にしてやってくれよ。そう声をかけてあげたくなるのは、そこからずいぶんと時間経過をしたあとのぼくで、彼はこのタイミングでは迎えにきてくれないから、うじうじと判断を保留させてしまう。

 なんとか活動開始。イオに朝食あたえ、保育園の用意をする。登園は9時ギリギリだ。帰宅すると部屋のなかは荒れに荒れていて、イオの食べこぼしたごはん粒やスクランブルエッグの破片を床から引きはがす。シンクには昨日やり残した洗いものがたまっていて、まずそれを片づけないといけない。無心で洗ったら、これまたため込んでいた洗濯物に気づき、急いで洗濯機を回していると、乾燥をとっくに終えたのに畳まれることもなくランドリーバスケット×2に入ったままの衣類があるのを目にする。いや、ずっと目にしていたのに見ないふりをしていたやつだ。これをなんとか片づけないと。いちばん苦手な洗濯物たたみは、勇気のいる作業だ。得意じゃないのにていねいにやりたいから、どうしても時間がかかる。まず妻のものを振り分けて、これはたたまずに彼女の部屋に持っていく。次に自分のものを片づけ、最後にイオのもの。2歳半を越えた彼女の服は、着ているときよりもなぜか小さく見える。Tシャツ、ずぼん、くつしたを手にすると、自分でも驚くほどの愛おしさのような感情が駆け抜け、このサイズのものを着ている時期なんて、あっというまに過ぎていくんだろうな、そう思って、たたみながら何度も撫でてしまう。

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