バナナが「ななな」と呼ばれた日

イオの言語取得のプロセスを追いかけたくて、ObsidianのThinoというプラグインを使い、そのためのハッシュタグをつけて、その日に感じた彼女の変化や話したことをまとめている。これはTwitterのようなUIで、書けばObsidianのデイリーノートの中に記載されるというもので、だから日記の素材になる。日記の素材のために、都度つぶやいていくわけだから、未来の自分に向かってだけツイートしているような心地。

そのハッシュタグつきのポストを、Claudeと一緒につくったシステムでDataviewで眺められるノートもつくってあり、つぶやきさえすれば、自動的にそこに仕分けられる。それをざっと見直してみる。

もうイオはお布団のことを「おととん」とはいわない。愛着を感じていた言い間違えが、正されていく。メロディとリズムをベースに生成された原初の言語が、徐々に社会化されていくのが成長で、言語取得はそのまま野生の喪失のような感じもする。親が感じるさびしさとうれしさの間で、子どもたちはできることが増えていく。

その過程が記録されていく。記録すること自体を目的としないまま記録された現在がずらりと並び、けれどぼく自身はそれを細かく読み返すことは恐らくせず、それをもとに書かれた日記が世界にひらかれる。

自分が死んだあとの世界にそれが本のような形として残っている。そういう風景だけがなぜか目の裏に浮かび、いいなあと思う。